J.Sさんからのコンサート・レポート
楽楽・神戸の皆様
創部20周年記念7thコンサートのご盛会 おめでとうございます。
そのCDを拝聴し、僭越ながら私なりの感想をまとめましたのでご参考までにお読み頂ければ幸いです。なお、少々辛口な評価もありますが、決して悪意はなく、客観的な自己分析になればとの思いからの表現ですので、ご容赦のほどをお願いいたします。
さて 第一部のマンドリンオリジナル名曲巡りです。
まずはヴェルキの「序曲第3番ニ長調」ですが、この曲はその楽団の技巧的力量が如実に現れる、ある意味怖い曲です。今回の演奏は誇張して例えるなら「ハイボールが飲みたいと思っていたら、みたらし団子が出てきた」ような気分でした。
その要因はどこにあるのかと考えますと、太鼓とフルートとオケの微妙なズレからくる重たさでしょうか。この曲の命は「軽快さ」にあるとする私見がそう思わせたのでしょう。
打って変わり、桑原氏の「初秋の唄」は、哀愁の漂うとてもいい曲でした。冒頭の小雨が静かに降るギターのアルペジオ、Allegroの爽快感、Menomossoの美しい情感、と風景が浮かぶこなれたよい演奏だったと思います。ギターパートとNコンマスのソロに拍手です。
一部最後のボッタキアリの名曲「交響的前奏曲」は、私が一番心配していた曲ですが、何と素晴らしい出来にビックリでした。この曲の難しさはテンポの微妙な揺れ、強弱の表情表現にあると思いますが、全体的にコテコテせず、サラッとした程よいコントラスト表現で好感が持てました。S指揮者の感性とご苦労、そしてそれに付いていったオケに拍手です。
続いて第二部の♪音楽のキャッチボール♪です。
「大西プロの150キロの剛速球と楽楽の100キロの変化球」の対比が面白く、またI指揮者と大西さんのトークも大阪漫才のようで場を和らげていましたね。
まずはコンチネンタルタンゴの名曲「碧空」でしたが、タンゴのリズムの乗りが今一つで、澄み切った碧空には届かず花曇りでした。残念。
チターでお馴染みの「第三の男」は大西プロの上手さは言うまでもなく、I氏のギター伴奏は硬質な音で締まった控えめの音量で確実にリズムを刻み、好感が持てました。
「365日の紙飛行機」は、原曲AKB48の雰囲気が良く出ており、マンドリンに相応しい選曲でした。夢を乗せた紙飛行機がステージから会場へと舞飛んでいったのでしょうね。
大河ドラマのテーマ曲「真田丸」は、兜と陣羽織がさぞお似合いだったことでしょう。ハプニングも含め、実行委員のご苦労が報われたのではないでしょうか。演奏の方は大西プロの存在感は大きく、楽楽の名馬は少々息切れした老馬の進撃のようでありました・・・。
それにしても ムチ(Slap Stic)は3000円の何倍もの価値を生んで効果的でしたね。
二部最後の藤掛氏の「Viva! Mandolin」は、前半はまだエンジンがかかりませんでしたが、中間のAndanteから盛り上がり、いつもの美しい藤掛節が聴かれ、後半からフィナーレへと華やかさが加わり乗っていきました。シンバルやスネアドラムもリズムに乗りオケとズレることなく効果をもたらしていました。トリに相応しい快演であったと思います。
マイベスト3は、「交響的前奏曲」「初秋の唄」「Viva! Mandolin」でした。
さて、みなさまは如何でしょうか?
ホームページで各指揮者の感想を拝読しました。
S氏は、「愚直に」マンドリンオリジナル曲をやってきたし、これからもやっていきたいと仰っています。私見ですが、まさに「果敢に」オリジナルの難曲に挑戦されていると思います。その意味は単に過去を懐かしむだけではなく、その年齢なりの新たな音楽が生まれる楽しみを追求することなのではないでしょうか。早速にファルボの「ニ短調」に取り組まれているお姿に驚きはなく、有言実行を感じます。
I氏は、帰路に空を見上げ「あと何回打ち上げが出来るかな」と思われたとのこと。
もちろん10th記念コンサート、そして創部30周年が目標ですよね 皆さま!
今回の演奏会のような選曲・企画のポリシーを継続発展させていけば、楽楽の未来はまだまだ味わい深く、そして楽しい仲間たちの活動に進化していくものと信じて止みません。
これからも皆さまの音楽で多くの方々を楽しませ感動させてくださることを期待し、今後益々のご健勝、ご活躍をお祈りしております。
以 上
2017.6.3 J.S
H.P担当 S.Iより
休会中のMパート J.Sさんから7th.コンサート・レポートをいただきました。
毎回、真正面からの感想をいただき、ありがとうございます。
次回コンサートでは是非会場にお越しいただき、共に”楽楽”しましょう。
更新日:2017/06/06
Category: 練習風景